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2011/07/12
原発は相変わらず先が見えない。
これを廃炉にするのに数十年かかる見通しが発表された。
何で、たかがでかい湯沸かし器を処分するのにこんなに時間を使わなければならないのか、そのあいだ中、何らかの危険に曝され、莫大な金が使われる訳であるから何とも馬鹿げた話しだ。田んぼ道
技術というのは人の為にある訳だから、こんな事に成ってしまう技術は、技術とは言えないだろう。
今回の事故は良い勉強になったなどと悠長な事は言っていられないが、起こってしまったからには、そのことを大いに勉強にしなければならない。
この様な勉強をさせられた事は、人間の驕りにより成した技である事を、後世への教訓として正確にきちんと記録されなければならない。
今回の事故による教訓は、どんな高い技術であろうと、それが起こすであろう全てを、私達は予測することは出来ないことを改めて思い知らされた事と、もう一つは、技術には人間がコントロール出来る技術と、コントロールできない技術が存在する事を白日の下にさらけ出され、再認識させられた事である。
にもかかわらず、未だに原発は必要だと言っている人達が居る。
福島第一原発を廃棄処分するにも、もう既に子供の世代と孫の世代にお願いしなければならない状況である事が解っている。
それなのにまだ続けようというのは、何とも身勝手な感じがする。ハス
原発推進派の理由は、先ずは自分の現状が壊される事への恐怖心が基本にあるのだろう。
特に経済界の多くは原発をなくすと電気代が上がる事を特に危惧している。
それにより 企業が海外に出て行ってしまい、失業者が多くなり、日本の経済的競争力に打撃を受けると言う論法である。勿論、原子炉産業は大打撃に成る。
しかし、もう既に原発による電気代は今までとは違うのであり、何が起こるか解らなくて計算する原発による電気は、値段の出しようがないということが解ったのではないのだろうか。
それでも原発が最も安いなどと言っていられるのだろうか。
それともこんな事に成っても、まだ原発の電気代が今までのように安く見せかけられると思っているんだろうか。
原発の安く見せかけた電気代でしか成り立たない企業は、所詮税金の援助無くしては世界と伍して行けないという事ではないのか。
だとしたら、初めから実力としての競争力など無かった事に成ってしまう。

また、原発推進の理由として、太陽エネルギーなど自然エネルギーでは足らない、という論法がある。
しかし、化石燃料と核燃料は、足らないどころか、早晩、無くなってしまうのだ。
人類を百年で終わらせようと言うのなら足りるかも知れないが、そんな事はあり得ないので、近々、化石と核燃料以外のエネルギー源を探さなくてはならない。
何れにしても、世界の人口急増がエネルギー消費を増大させ、考えているよりも早く化石も核も食いつぶすだろう(その前に地球環境がパンクするだろうが)。昼の庭

そこに行き着くまでにエネルギーの争奪戦が始まるのだろう。勿論戦争ということに成る。
この狭い地球の中で有限のパイを取り合っている以上、力ずくで確保するしかない。
いずれにしても、たかが熱エネルギーを取り出すだけなのに、これからも化石燃料を燃やし続けて良い訳はない。
ましてや改めて確認させられた手の付けようのない核廃棄物を出し続けて良い訳はない。
今の自分達さえ良ければ後の時代の事はどうでも良い訳ではない。
人生の「旅の恥は掻き捨て」で良い訳はない。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」を実行すべきである。

しかし、未だに太陽エネルギーや自然エネルギーでは不安定で「今のような経済活動が出来ない」などと言っている。
やってもいない事をどうして予測できるのか?今、現に動いている物である原発でさえ、その未来を予測することなどできなかったではないのか?
予測できなかったから事故が起こった。当然どう終息させたら良いのかの予測も立たない。
どうせ大した予測も出来ないのだから、これから太陽エネルギーが利用出来るか出来ない等と言っているのもおかしい。
今、駄目だダメだと言っているのは現在の状況のみを見て言っているに過ぎない。
大体、太陽エネルギーと自然エネルギーの社会を作るということは、それらのエネルギーを使って電気も安定的に供給する技術とシステムを作り上げるということである。不安定に成らないようにするには、どうするかということであり、新しい技術を改めて開発する事を意味している。
高速増殖炉を開発する金を使って開発すれば良いことである。
ついでに、自然エネルギー技術で世界のリーダーシップを取れるようにするべきである。
やりもしない内に、技術の本質という事を考えもせず、マスコミから流れてきた程度の情報をオーム返しに言っているのは何とも頂けない。駅前の花

薪しか使っていない時代に、石炭エネルギーによる社会を考え、移行したのではない。
石炭エネルギーの時代に、石油エネルギー社会を考えて移行した訳ではない。
石炭が存在する事がわかり、それを上手く使うと儲かるから移行していったんだろう。
石油も同じである。儲かるから石油を採掘する権利を得て、石油社会が作られていったんだろう。
原発も同じである。誰かが儲からねば誰も原発などやらないだろう。
石炭は、そこから出る二酸化炭素や有害廃棄物のことは儲けの中に計算されていなかった。想像力のレベルがそこまで行ってなく気が付かなかったのだろう。
原発は危険な廃棄物が出る事は解っていたが、どうしたら良いのか解らないままで、儲けのチャンスを逃さない内に、とうことでスタートしてしまったのだろう。

人類の歴史は、未来を予測せず目先の利益だけを追求して来た為に壮大な失敗の連続である。
植物や動物を食い尽くしたり、生存圏を奪ったりして絶滅させる事は今でも続いている。
ヨーロッパや中東では薪燃料を使い尽くしたし、石炭や石油を燃やした後に環境や、人間や、その他の生き物たちにどんな影響が出るかなど考えずに多くの自然を失ってきた。
にもかかわらず、反省することなく、また未来について何も考えずに核技術に手を出し、この始末に陥っている。
未来の結果を予測をせずにエネルギーを使って来たのは、人類始まって以来の特性と言えばそうだが、もうそろそろ己を知って悟っても良いのではないだろうか。

私達は鎌倉時代でも、戦国時代でも、江戸時代でもないその時から変化した価値観の中で暮らしている。
今も時代は刻一刻と変化している。
私達が今のこの時代を止め置く「権利」はない。ましてや、原発に依存する社会と経済を長く続かせようなどという「権利」もない。
有るのは、より良き社会を作り、受け渡す「責務」だけである。トンボ
今、私達は太陽のエネルギーに頼る社会の扉を開けようとしている。
人類始まって以来の特別に誰かが儲かる訳ではないエネルギーへの扉である。
これは画期的な事だと思う。
1960年、ケネディー大統領は、10年以内に月に行くアポロ計画をぶち上げた。当時のアメリカはマーキュリー計画のレベルであった。これはドイツのV2号を改良したレッドストーンロケットを使って、一人乗りの宇宙船を弾道飛行させるしかできない物である。当時の大部分の人は月到達など不可能だと思ったに違いないし、反対論も随分出ただろう。しかし、ご存じのように予定通り成功させてしまった。
新しい事をやる時、必要なのはその時の技術レベルで判断する事ではない。もし、そんなことをしていたら新しいステージには決して進めない。
今こそ政治的に決断し、実行する事が最も必要なことである。
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20011/7/7
7月2日「これからの木造住宅を考える連絡会(これ木連)」主催の会に出席した。
1999年に彰国社から出版された「民家の自然エネルギー技術」と同じ題名で、この本をまとめられた早大名誉教授の木村健一先生がお話しされた。手すりと水
木村先生は1975年、日本太陽エネルギー学会を創設されたお一人である。当時、事務所は早大の木村研究室内に置かれ、正に日本の太陽エネルギー利用を提唱された先駆者である。
この本は、出た当初に購入して読み、非常に多くの事を学ぶ事ができた。
民家には日本民族として、この地に住み着いてからの歴史が染み込んでいるはずである。
民家は住まいの原点であり、人が快適に生きて行く為の工夫の宝庫である。
民家には今のようにエネルギーがほとんど使えない時代に、営々と人が生き抜いて来た知恵が詰まっている。
その土地が持っている風土を、何十世代も何百世代もの長い年月を掛けて読み取り、形として表した物が正に民家なのである。
昨日今日簡単に作られた形ではないし、仕組みではない。
測定値は無いが、アメダスなど及びも付かない経験を噛み砕き、それ元にして作り上げた形である。
今、民家に求められていることは、その土地に生きる為に詰め込まれた暗号を読み解く事だと思う。
あらゆる知恵が詰め込まれている家の中が暗いのは、勿論、厳しい自然の中で生き抜く為の知恵がもたらしたものである。芙蓉
現在、暗いことは改善すべき遅れた古さのように言われているが、この暗さの中に含まれている意味は大きい。
しかし、特に暖冷房機器が普及するように成って、自然を読み解き、形に表す術は必要がなくなってしまった。
自然は生きる為の条件を生み出す場ではなく、単なる風景だけに成り下がってしまった。
自然の奥行き、深さは必要なく、表面に見えるだけの薄っぺらな物に成り下がってしまった。
自然の深遠さを見通す深い洞察力は無用な長物に成ってしまった。
これもそれも全てが、電気エネルギーと化石エネルギーが自由に手に入る様に成ってから加速されたことである。
特に戦後は都市化が急速に進み、読み解かねばならない自然は消滅してしまった。その為、更に拍車を掛けて自然離れが進んでしまった。

茅葺きの民家を見た時、大部分の人達が大いなる郷愁を憶えるのは何故なのだろうか。
単なる見た目の懐かしさだけではないような気がする。
DNAの中に染み込んでいる何かを感じているのではないだろうか。
だからと言って茅葺きの家をいま作れば良いわけではない。それでは単なる懐古主義に過ぎない。しぶき

去年の三月に完成した実験住宅は、民家の持っている知恵を少しでも学び取り、現代の住まいに生かして見ようという考えからスタートした。
それが「買うエネルギーから、自前するエネルギーへ」であり、「CO2ゼロを目指す家」となった。
昔はエネルギーといっても主に薪であっただろうから、全てを自分で調達したのだろう(都市部では薪は買ったのだろうが、日本の社会全体としては全てを国内で自前していた)。
結果として、CO2は自然界で循環して特別増加することも起こらなかった。

民家で注目したのは5つの機能についてである。
(1)茅葺き屋根機能、(2)空気の流れ機能、(3)土壁機能、(4)土間機能、それに(5)365日サイクルの思想である。
そこから、先ずは、基本的に全体としては出来るだけ熱容量を上げること、断熱性能を上げること、夏は日射を絶対入れないこと、冬は出来るだけ日射を入れること、無風時にも上昇気流で空気が流れること、熱容量による温度差を利用することを考えた。はく鳥
その為、断熱材の中でも最も重く、一本一本の繊維の中に湿気を吸収できるセルロースファイバーで全体をくるむことにし、南面の大きなガラス窓(12平米)には断熱ロールカーテン、最上部のジャロジー(2.3平米)にはポリカのハニカムコアを内断熱度戸として断熱の強化を図った。
今回は、身近にある材料の選択と、全体としてはその材料のリユース化などは考えなかった、と言うよりそこまで考えられなかった。
但し、2階の床だけは自社開発のリユース栗無垢材を使った。これは基本的には腐るまで何度でも取り外して再利用する床材として独自に開発した物である。
(1)の茅葺き屋根機能は特に現代の技術を持ってしても簡単には真似できない。
その機能は1)気化熱涼房機能、2)圧倒的な遮熱機能、3)雨音遮音機能、4)断熱機能、5)排煙機能、6)身近で栽培した材料を使える、など多機能に渡るからである。
これは基本的には実現が不可能なため、単に200mmのセルロースファイバーを入れるだけに止めた。
本来はガルバ+空気層+透湿ボード+セルロース+透湿ボードとすべきであるが、予算の関係で透湿ボードを構造用合板にしてしまった。
(2)空気の流れ機能は、最下部の空気の取り入れ口と、最上部の排出口までの高さ方向の距離と排出口の大きさの問題である。
最上部の排出口には0.6×0.55mジャロジーを7枚(2.3平米)を取り付けた。
(3)土壁機能は、実際に土の断熱性能程度で済ます訳には行かないので、ガルバ+空気層+透湿ボード+セルロース+透湿ボードとした。
これにより、室内湿度は常にバランスを取るように変動することを目指した。森
(4)土間機能の一つは、総合的な熱容量を付加する事と理解し、12平米の大きな玄関土間を設けたことと、二階の床40平米分にアクアレイヤー90mm(コンクリートで同じ熱容量にすると重さで14トン分)を設置した。また、熱容量を出来るだけ大きくする為に、建物全体をくるんでいる断熱材もそういう意味で最も重いセルロースファイバーを選んだ。
(5)365日サイクルの思想、これは年間を通して太陽熱を地中に染み込ませ、15~16度ぐらいの地中温度を6~7度上げてやろうという試みである。これに二階の床のアクアレイヤー蓄熱層へのダイレクトゲインと組み合わせ、ランニングコスト ゼロで、ここは昔の民家と違い、暖かく快適な冬が過ごせる事を目指した。

今回は以上の事を試みたが、これからも更に民家の勉強をし、現代まで培った技術との新しい組み合わせを模索して行きたいと思っている。
長い時間を掛けて作り上げられてきた民家の考え方こそが、新しいエネルギー時代に必要なのではないだろうか。
エアコンなどの暖冷房機器を入れて初めて成り立つ現在の家よりも、民家から出発することこそが、私達にとって新しい可能性を与えてくれるのではないだろうか・・・・

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izena社長 前田誠一

Author:izena社長 前田誠一
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