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ひょんな偶然から現在まで28年間、色々な床暖房の仕事をしてきた。後半の11年間は独自に開発したアクアレイヤーヒーティングシステム(http://www.izena.co.jp)という床暖房を主な仕事にしている。これは水の大きな比熱と自然対流を利用して、熱をたくさん溜め込み拡散させる機能を持った床暖房である。床暖房を始めた頃、初めて接する建築業界に随分戸惑い、理不尽な思いをさせられた。その中で特に暖房機器としての床暖房の取り扱いが理屈に合わないことに気が付いた。それは家本体の設計が終わってから、つまり室内の温熱特性を決めてしまう断熱仕様、開口部の大きさ、サッシとガラスの種類、それに床暖房の設置できる面積などの全てが決まってしまってから、その中に床暖房を入れて暖房しようということである。いまだにこういう設計方法が平然と通用しているには三つの理由があると思う。20070919224936.jpg一つめは、家の中の温熱環境というものが、エネルギーをお金で買ってくればどうにでも成る、というそれを可能にする社会的前提があるからだろう。だから設計の最後になって暖冷房機器の選定をするということになり、またそれが通用したのだろう。その為一部の人達を除き、設計の過程で太陽熱を出来るだけ本体構造の中に取り込んでエネルギーを倹約しようなどという思考が育たなかったんだろう。二つめは、ちょっと想像逞しく成るが、明治維新で西欧の建築の形だけを取り入れたことではないだろうか。西欧文明を良くかみ砕き消化する前に、それまで風土の中で進化してきた木の建築を遅れている物として切り捨て、レンガによる欧米の家の「形」を取り入れた事にあるんじゃないだろうか。それ以来、住まいとは風土の必然性よりも、表の形を重視した物になってしまい、寒さ対策としては、その時同時に入ってきただろうスチーム暖房をすればいいや、と言うことになったんではないだろうか。そのことが家の形と暖房を切り離すことになり、今の設計概念を生み出したのではないかと想像している。三つめは、床暖房とそれ以外の暖房機器とを同じ暖房機器ということで、その特性を精査することもなく、ムード的に取り扱っていることである。「熱」とは本来純粋な物理現象でもあるにも関わらず、住まいという主観的で曖昧な中の一部として扱われるため、本当の熱の重要さが理解されずに来てしまったのだろう。それらの結果、家とは「住まい」であり、それは温熱環境も構造の一部として考えるべき物であったはずが、分離してしまったのではないだろうか。これでは温暖化を少しでも低減させる為の住まいの設計は出来ないのではないだろうか。人の住まいを設計することは、エネルギーの消費を設計することであり、二酸化炭素の発生量を設計することであると思う。社会に対して責任ある「住まい」の設計とは、温熱環境の設計とはどうあるべきか、これからますます考えてゆかねばならないだろう。

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