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熱容量を意識的に取り込んだ住宅というのは、いまだに至って少数である。
熱容量は周りにある全ての物にあるが、物によりその大小は様々である。
ご存じのように熱容量が大きければ大きいほど、暖まり難く、冷め難いという特性を持っている。暖まり難いとは熱を沢山吸収でき溜め込むことが出来るため、なかなか暖かく感じないことであり、冷め難いとは貯まっている熱が多いため、出ていくのに時間が掛かるという現象である。小白花
各々の物質を熱を入れる容器と考えると分かりやすい。
たとえば、同じ直径で深さの違う筒状の水を入れる容器があったとしよう。それを真上から見ると当然皆同じ大きさの丸に見える。
各々の容器に同じ速度で水を入れてやると、いっぱいになるまでに深い容器の方が時間が掛かるし、入った量は多い。
出すときも同じ早さで出せば、当然深い方は時間が掛かるし、浅い方は早くなくなる。
物の熱容量とは、こんなイメージである。勿論ここで水と言っているのは熱のことである。
実際の物で熱容量を比較してみると、水の場合の円筒容器の深さを1000とすると、コンクリートは480、土壁は268、レンガは304、檜は144,杉は105ぐらいになる。
つまり水はコンクリートの約2倍、土壁の4倍、レンガの3倍、杉の9.5倍の熱を溜めることが出来るが、熱を溜め込むまでの時間は、105しかない杉が最も短く、1000もある水が最も長い。
熱容量が大きいということは蓄熱量が大きいことであり、熱容量の大きい物が一般的に蓄熱材として利用されている。
影絵蓄熱材が暖まり難く冷め難いのは、熱容量の大きな物質を使っているからである。
温められた蓄熱材が屋内にあると、外気温度が急激に下がっても蓄熱材からの放熱が続くため、室内側の温度がなかなか下がらないことになる。
私達が知っている最大の熱容量を持った物は地球、つまり大地と海であろう。自然界から簡単に手に入り昔から生活に利用している大きな熱容量の物は水である。
建築で利用されている物では、コンクリートや石や土などが多い。
人間は定温動物である以上、急速な温度変化より安定した温度環境を好むという性質を持っている。その為温度変化をし難くさせる熱容量を生活の中で利用することは、快適さを得るために当然なことである。
しかし、現代の日本の木造住宅のほとんどは、熱容量を高めて安定した温熱環境を作り出そうという努力どころか、考えようともされていないのが実情である。
勿論、前記した通り木材も熱容量を持っているが、一般的にそれだけでは室内の熱的安定性を得ることには不足である。
今の日本社会では熱容量をどう取り込んで、どう快適な生活をするか、というところまで発想が至っていないのだと思う(それは、いまだに化石エネルギーがいくらでも金で買えるという古い社会通念を引きずっている中からの発想だからであろう)。
昔から有る土蔵造りは、この国唯一の熱容量が大きい建物である。厚い土壁のため内部の熱環境はかなり安定している。
何故土蔵のような物が出来たのか調べたことはないが、火災と盗難に対する仕組みを工夫して行くうちに、結果として熱的にも安定した建物に行き着いたのだろう。
だが、土蔵が一般の住まいまで進化しなかったところを見ると、住まいとしては魅力を感じられなかったのだと思う。
いくら熱容量が大きく室温が安定してるとはいえ、ほとんど窓のない環境では風も通らず、夏の生活向きではないと感じたのだろう。
夏を旨とすべしが日本住宅の伝統から見ると、熱容量の大きい土蔵を進化させるより、熱容量をとことん小さくして風を通す方法を選ぶ方が、断熱材のない時代には正解だったのだろう。
その為かどうか分からないが、明治維新になりヨーロッパの石やレンガを使った建物の模倣が行われても、それらが持つ熱容量の機能までは取り入れなかったのかもしれない。(もしかすると、気が付かなかったのか?)
きのこ919だとすると、コンクリート造りでありながら、内断熱という熱容量を利用することを全く意図していない物が多いのもうなずける。
しかし、これもまた化石エネルギーが勝手気ままに使えることを前提にして、設備で思うようにコントロールしてやろうという考え方であり、既に時代遅れである。
とは言っても熱容量を積極的に利用した建物も増えつつある。施工実績が1000件に近づこうとしているアクアレイヤー床暖房システムも勿論、水の大きな熱容量を意図的に付加した建物である。
OMソーラーはベタ基礎に熱容量を持たせているし、地熱を利用している建物も正に熱容量の利用である。児玉裕一郎氏や花田勝敬氏が手掛けられているダイレクトゲイン利用の住宅は、床をコンクリートなどにして熱容量を稼ぎ、太陽熱を昼間の内に溜め込む方法である。今流行のオール電化住宅の場合も、電気代の安い夜間電力時間帯に暖房熱を溜め込んで使う方が経済的に至って有利である。その為には大きな熱容量を建物に持たせて置かねばならない。
現在、全盛を誇っている化石エネルギーでるが、それが無くなる問題ではなく、使えなくなる問題の方が益々大きく成りつつある。
そんな時代に対応するために、熱容量の大きな家を造ることは避けて通ることは出来ない。
せめて暖房エネルギーぐらいは昼間の内に溜め込んでおく必要がある。大きな熱容量を考慮せずに太陽熱の利用はあり得ない。太陽熱の利用を積極的に考えずしてこれからの住宅もあり得ないと思う。




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