上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


以前から昔の日本の家には興味を持っていた。
家というのは必ずその時代その場所で最も快適に作られていただろうからである。
いつの世も快適さを求めない人間はいない。
勿論、設備機器無しでの快適さである。
1111紅葉私は土間のある家に住んだ事がないし、まして茅葺き屋根の家の住み心地は知らない。
そんな訳で、7~8年前の夏に小金井の茅葺き屋根の家に体験と温度の測定に行った。茅葺き屋根の家がどんな快適さなのか知りたかったからだ。
茅葺き屋根の家は勿論高機密高断熱などではない。それとは全く反対のスカスカツーツーである。冬は勿論床暖房をいくら入れたところで寒くてしょうがないだろうが、夏は快適であることを確認したかった。
やはり意外な結果が出た。厚い茅葺き屋根の裏側の温度が何と外気温より低いのだ。
夏の強い日差しに照らされた屋根の裏側は当然温度が高いはずと思っていた。それが1~2度低かったのだ。
多分、茅が含んだ大量の水分が強い日差しで蒸発し気化熱を奪っているせいなのだろう。だとしたら、茅は現在に類を見ない優れた屋根材と言える。現在あるどんな屋根材よりも夏の温熱環境に関しては茅の右に出る物はない。
現代の技術を工夫して屋根部の冷却を考えている家もあるが、茅の自然さに比べるととても太刀打ちできないと思う。
また、茅葺き屋根の家は日射が入ってこない。その為に室内は暗い。
現代の夏の日差しカットも考えていないただ明るいだけの家より、よっぽど考えられている暗さである。暗い事はふるい遅れた家だからではなく、快適さを追求した一つの結果の暗さなのである。
1111黄色茅葺き屋根の家には、もう一つ優れた機能を持った部位がある。土間である。土間の表面温度も空気温度よりも2~3度低い。
このように夏の茅葺き屋根の家は、まさに夏を旨とすべしを実現している。
しかし、夏を旨とすべしと言われる日本の家の基本は、なんと言っても通風であると思う。
風が通り抜け、発汗を加速し、余分な体温を気化熱として発散させることが爽やかさを生み出すのであろう。
それに茅からの気化熱、土間の冷輻射、深い軒と東西側に配置した植え込みによる直射日光などのカットで、更に快適さを作り出している。
通風の利用というのは日本人が何百年も前から利用してきた生活の知恵なのである。
もしそういう伝統を大切にする気持ちが少しでもあったなら、こんな通風を無視した、エアコンがなくては夏が過ごせない家や都市は造らなかったのではないかと思う。
現代においても風を通すということは、かなり以前から多くの人に言われてきたが、エアコンが普及してしまうと、通風で快適さを本気で考える
ことはしぼんでしまったのだろう。
現代文明はエネルギーバブルがもたらしたものである。エネルギーは金でいくらでも簡単に買える物になったため、あえて風を通す形を考えるよりも、最後にエアコンを入れて涼しくできるればそれで良いとなってしまった。
通風とは必ずしも風が通り抜けることではない。
京都の町屋は、中庭で冷やされた空気が揺れ動くことにより、小さな空気の流れを作り出し、涼しさを与えてくれるようである。
このように通風とは風を通り抜けさせる事だけではなく、体に接触している空気が動いてくれるということが大切であると思う。
逆の現象であるが、冬のコールドドラフトは完全に窓が閉まっているにもかかわらず、まるで隙間風が入って来たかのように感じさせられる。これなどはまさに自然の仕組みが空気の流れを作り出した良い例である。
1111赤実さて、茅葺き屋根の家の快適さを作り出す要因の一つである土間の冷輻射機能であるが、いくら効果的と言っても現代の家すべてに土間を作るわけにはいかない。
そこでアクアレイアーを少し冷やして土間もどきができないかと考えた。
アクアレイアーは一般的に居間を中心にした最も広い部屋に設置されることが多いため、そこが多少なりとも冷やされれば、土間もどきになると考えてみた。その為、冷水を流すことをも考えたアルミ伝熱パイプホルダーを開発した(根太間に施工できる最大のパイプ径として13Aを採用した。冷水を流すにしてもできるだけ温度の高い冷水にするためである。ここに使用する冷水は、できれば夜間の放射冷却によるものが望ましいが、深夜電力によるヒートポンプも利用できる。特に最近の床暖房熱源としては深夜電力運転によるヒートポンプが主流に成りつつある。)。
冷水を流したときの最大の問題は結露である。勿論床下に結露を発生させるわけにはいかない。結露を出してまで強引に冷やすことは、今までの発想と何も変わらず、空気を冷やすことが中心になり、部屋を閉じて外気を入れないようにしなければならない。
つまり発汗気化熱を自然にゆだねる分のエネルギーも必要になってしまう。
夏の快適さは、やはり発汗気化熱の利用が主体であるべきと思う(今の社会を作ってしまった後なのでとても通用しない場合の方が多いが)。
その為、家の中に空気の自然な流れを作るべきだと思う。そして直射日光を入れず、冷輻射と夜の放射冷却を利用する家の形が求められるべきだと思う。
そうしないと、この国にとってはお題目に過ぎないマイナス6%が更にお題目になってしまう。
建築に携わる者は面目に掛けても、せめてマイナス6%ぐらいは意識した家を作るべきではなかろうか。

プロフィール

izena社長 前田誠一

Author:izena社長 前田誠一
FC2ブログへようこそ!

ブログ全記事表示

カテゴリー

リンク

人気BLOGランキング

ランキング人気 20070719115222.gif にほんブログ村 環境ブログへ

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

ブロとも申請フォーム


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。