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今回の実験ハウスの熱源は勿論、太陽熱である(補助熱源として、お湯を作るヒートポンプつなげてある。これは冷水も作り出せるので、夏には土間もどき冷輻射面として実験もしてみるつもりだ)。
太陽熱を利用するという考え方には、24時間サイクルでの利用する考え方と、365日サイクルで利用する考え方の二つがある。
実験ハウスには、両方の仕組みが実験できるようにした。クロッカス
考え方としては、アクアレイアーを床暖房としては使っていない。あくまでも太陽熱の蓄熱槽であり、木造住宅の熱容量を高めるための熱部材である。
勿論、そこがアクアレイアーの良いところであり、結果として蓄熱槽が同時に床暖房機能も持っていることになる(なお、基本的な考え方としては今まで言われてきたような、床暖房を入れなければ成らないような家の設計は止めるべきであり、「床暖房」という言葉自体を死語にすべきである。床暖房さえ入れれば快適になる、などということは幻想に過ぎず、床暖房=買うエネルギーの投入=CO2発生システム、であり、そういう意味でも基本的にはこれからの時代に不必要とすべきである。但し、熱容量は必要)。
今回の建物のキーワードは「太陽熱」と「空気の流れ」であり、CO2排出大幅削減の可能性を探る試みでもある。
床暖房という陳腐な技術にしがみつかずに、当然、企業として未来のイゼナを担う為の技術の開発でもある。
その為の最大のキーワードは勿論「エネルギーの自前」である。CO2排出大幅削減の最大のテーマである。
イゼナが以前から練っていたアイデアを出来るだけ組み込むことにした。それに設計方法も順序も、勿論概念も変えることの試みでもあった。
先ずは構想を練るに当たり、間取りを考えることを無視したことである(家の形が決まってからは考える)。
今までの間取りから先に考えるやり方には、エネルギーの視点が入っていない。(単なる定性的な省エネの考え方は取るに足らないので、エネルギーの視点が入っているとは見ない)。
キツツキ間取りをいくら練ったところで完全なものなど出来るはずもないし、所詮、住んでみなければ分からない事である。
例え、万が一、良い間取りが出来たとしても、そこで生活するためのエネルギーが思うように手に入らなければ、暮らしなど成り立たないからである(今まで通りCO2を垂れ流すエネルギーを買うことが前提であれば話は別であり、論外である)。「エネルギーの自前」という考え方をすれば、間取りからスタートできないし、間取りは二の次三の次になってしまうのは当然である。
家とは住まいであると同時に、太陽エネルギーを取り込み、溜め込むための箱である、とすべきだ。また、空気が自然に動く構造を持った箱でもある。
だから、エネルギーを取り込みやすく、溜め込みやすい形はどうすべきかということと、自然な空気の動きをどう作るかを先ずは考えなければならないのだ。
それと同時に、熱エネルギーが出難く、入り難く、直射日光が冬が入りやすく、夏は入らない形と構造と仕組みを考えなければならない。
先ずはそこに主観の入る余地はほとんど無い(ただし、エネルギー自前の形が決まった後は主観の世界、デザインの世界である)。
自然の原理が左右する世界であり、それに基づいて、それに順応する形を見つけなればならない。
それを住まいの設計の原点にした。
要するに、体温37℃を維持するために常に放熱している熱を、出過ぎないようにしたり、出やすくする空間環境をどうするかということである。
ただ深い庇にすれば、それで夏の日差し対策をしたことには成らないし、それほど単純ではない。また、冬対策としてペアガラスを入れれば、それで良いわけではない。梅
今回の土地はほぼ南向きであるが、13度ばかり西に振れている。二車線道路をはさんで二階建ての家が建っているだけの太陽エネルギーを得るためには非常に条件の良い場所にある(そういう場所を選んだのだ)。
その先は田園風景が広がっている。
先ず争点になったのは、建物を完全に南に向けるかということであった。
前を走る道路は北にちょっと振れた西向きであり、周りの家は全てその方向に合わせてある。家の向きの理由はそれ以外に考えられていないので、特別それらに合わせる必要はないのだが、今回はそれだけは日和ってしまった。
その代わりに太陽熱集熱温水パネルを取り付けるベランダの手摺りの方向は真南を向けることにした。
土壌蓄熱用の太陽熱を最大限得るためである。

次につづく



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