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そんな選定基準の中でも最も大切な一つは、結露に対する性能である。
結露を考えることは、家内外の温度と湿度の関係を考えることであり、断熱材を沢山入れることは、家内外の温度差をきっちりと付けるということである。IMG_4531.jpg
自然な生活をしたいから、家の中も出来るだけ外の温度に近づけたいというのであれば、どんな暖房器具も使わないのであれば、結露のことなどほとんど意識する必要はないが、家の中を暖かくして、適当な湿度を保とうとすれば必ず結露の問題が発生する。
家内外の温度と湿度が冬と逆転する夏期の場合も同様である。
いずれの場合も、温度が大きく変化する部分、つまり、断熱材の中に於いて露点に達する部分で結露が起きる。
その為、その部分は一般的には結露水が発生してしまうことになる。
それが起きないようにしてやるためには、断熱材の中で露点状態が起こらないようにするという考え方がある。
グラスウール内部で発生する結露水のもとに成る湿気を入れないようにしてしまおうという方法である。
ご存じのようにポリエチレンなどの防湿シートを断熱材の室内側の面に取り付ける施工方法である。朝焼け
しかし、湿気はどんな所でも入り込むので、かなり完璧な防湿施工を求められる、という条件が付く。
この方法は冬のメカニズムを考えた対策であり、逆な現象が起きる夏の事も考えた対策ではない。
これらの方法は断熱材自身が水分を吸い込まないグラスウールなどに採用されている(しかし、建築現場では未だに結露のメカニズムを理解せず、いい加減な施工をしている所が多くあり過ぎる。建築業界は一度思い込んだら絶対変えたくない人達が非常に多い所だとつくづく思う)。
もう一つの断熱材の考え方は、露点部分が出来るのは自然の原理だし、それを無理矢理押さえ込むのではなく、露点部で発生した結露水は断熱材に吸い込ませ、自然のメカニズムにまかせて最終的には蒸散させてしまおうということである。セルロースファイバーなどはその範疇である。
もう一つは発泡させたボード上の断熱材である。これは断熱材自身が湿気を通さないので良いように見えるが、これも完璧に隙間が空かないように施工するという難しさがある。実際の現場で隙間がないように施工しているのを見たことはない。
もう一つは現場発泡の断熱材である。これは湿気を通さず、その上、基本的には隙間が出来ないので熱的には優れているが、室内の湿度の調整をどうするかを考える必要がある。
断熱材を選定するためには、熱伝導率、厚さは最重要であることは勿論であるが、熱容量(重さ)、結露に対する特性、防音性能、燃焼時の性質、細部に於ける充填性、施工性などを考えて選択しなければならない。勿論、LCCO2も考えなければならない。

ここで「気密」について少し書いてみたい。
断熱材の事を考えると気密シートのことも考える必要もあるからだ。雪山2
気密というと、空気の漏れさ加減を言い、一般的には空気と湿気をひっくるめて空気の漏れとして捉えている。
しかし、空気と湿気は分けて考えなければならないと思っている。
何故なら、暖められた空気は外に逃がしたくないが、余計な湿気は自然な形で移動させてやるべきと思うからである。
私たちの先祖が長い時間を掛けて完成させてきた茅葺き屋根や厚い土壁の構造は、現代の要求する温熱性能を満足するまでには至らないが、湿気に対しては十分な性能を持っているのだと思う。それは先祖が残してくれた貴重な伝統技術として見習うべきではないだろうか。
現代の室内温熱環境を考えるために、熱を逃がさないという事だけを考えて断熱材を選ぶのは何ともお粗末な話だと思う。
単に、熱だけのことを考えて、それを逃がさないようにと言うのであれば、断熱材は何を選んでも良いことになる。
断熱材を壁や屋根、床に入れるということは、基本的にはその断熱材の中で露点に達する場所があると言うことである。
そこに、もし湿気が有れば結露することになる。つまり断熱材のなかで水滴が発生することになり、それを防ぐには断熱材の中に湿気が入らないようにすれば良いことは前記した。
発泡系の断熱材はそれ自身が湿気を通し難いので断熱材の中で基本的には結露することはない。
湿気を通す断熱材であるグラスウールなどは、防湿シートを使って湿気を入れない様にする必要がある。
しかし、それが曲者なのである。湿気はどんなに狭い隙間でも通ってしまう性質があるため、かなり完璧に防湿シートを取り付けてやらねばならないが、完璧というのは建築現場の現状から見てほとんど不可能なことである。
たとえそれが出来たとしても、室内側の湿気を強制的に排出してやらねばならない。朝のサツキ
それに対してセルロースファイバーも勿論、自身の中で露点に成り湿気が水になるのだが、セルロースファイバーの性質上その水分を断熱材自身が吸い込んでしまい、水として出てくることが起きないのである。つまり、外部近くのセルロースファイバーが湿るという現象になる。
その湿りをもたらした水分は時間を掛けて蒸散して行くことになる。
その為、結露水の出てこないセルロースファイバーを用いて、その両面に透湿機能のあるボードを貼る構造にすると、防湿シートを用いた湿気を通さない壁と対照的な湿気を通す壁や屋根を作ることが出来る。
おまけに、セルロースファイバーは断熱材の中では密度が大きく重いため、防音性にも優れ、快適温熱と静寂空間の両方を与えてくれる。

去年の3月に実験住宅も兼ねた住まいを娘夫婦が建てた。
その時、4寸柱の間にセルロースファイバー(120mm)を充填し、両側をモイスボードで挟んだ構造とした。
防湿シートを入れる構造がどうも腑に落ちず、折角なので土壁性能擬きを目指した。
外側のモイスの外側は防水のため防水透湿シートであるタイベックを貼り、その外側には通気層を設け、外壁をガルバリューム鋼板とした。
それにより高断熱・透湿壁を実現させた。
屋根側はセルロースファイバーを200mmとし、これも高断熱・透湿の茅葺き屋根擬きとした。雪山1
この様に断熱材を選ぶことは国が示した基準値だけを見ていれば良い訳ではない。
2011年は電気自動車元年と言われている。あれよあれよと言う内に時代はガソリンのいらない車を生み出した。
太陽電池さえ載せてあれば誰でもが二酸化炭素ゼロの車環境を今すぐ得ることが出来る。
少なくても30年後はガソリンで走る車は地球上に走っていないだろう。
そういう社会に向かって私たちはどんな住まいを今、作っておかねばならないのだろうか・・・・

ウエブマガジン「遷」2号を発刊しました。是非お読み下さい。「遷」

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